モンゴルは、人道的な民主主義国家を作り上げることを第一の目標として憲法を定め20年になる。国民の裕福な生活と平和が、その国が発展している水準で見られる。
米大統領ドナルド・トランプは今年のクリスマスツリー点灯式で「我々には裕福な生活があり、2018年も平和であることを願う」と国民にメッセージを送った。モンゴルには平和はあるが、裕福な生活がない。
平和で裕福な生活を送るためには、民主主義、自由市場、新産業の創造という三つの要件が満たされなければならない。この三つの要件に関して、2017年私たちにはどのような変化と進展があったのだろうか?
民主主義
イギリスのエコノミスト誌は世界167ヵ国を60の指数から10点満点で評価している。同誌の民主主義の評価で、モンゴルは2014~2016年の間6.62点で「欠陥のある民主主義」(Flawed Democracy)に分類されている。世界民主主義ランキングではノルウェーが過去5年間9.93点で「完璧な民主主義」(Full democracy)として分類されトップとなっている。北朝鮮は過去7年間(2010〜2016年)1.08点で「独裁主義」(Authoritarian regime)と分類され、最下位となっている。
http://infographics.economist.com/2017/DemocracyIndex/
自由市場
モンゴル国民の3分の1が貧困層である。今年の10月17日に公表された国家統計局と世界銀行が共同で実施した調査結果では、モンゴルの貧困は29.6%、人口の3分の1にあたる。2014年の調査と比較して貧困率は37%上がっている。貧困率が最も低い県はウムヌゴビ県の15.4%、逆に最も高い県はゴビスンベル県の52%である。
ヘリテージ財団(Heritage Foundation)の2017年の経済的自由の報告書によると、モンゴルは4.6ポイント下がり54.8点で、180ヵ国中129位となり、「経済的自由があまりない」と評価されている。
この報告書でトップとなったのは香港で89.8点。最下位は北朝鮮の4.9点となっている。
http://www.heritage.org/index/ranking
世界経済フォーラムが出している2017年の人的資産レポートでは、モンゴルは64.35点で130ヵ国中51位となっている。このランキングではノルウェーが77.12点でトップとなり、イエメン共和国が35.48点で最下位となっている。
新産業の創造
全世界の国内総生産の0.003%を占めているモンゴルは、2017~2018年の世界競争力報告書では137ヵ国中101位だった。この報告書の基本指数のうち、モンゴルが受けた最高評価は「高等教育、専門研修」分野の65位であった。逆に最低評価である123位となったのは「ビジネス環境」分野だった。
またイノベーションに関する指数では101位となっている。この報告書の過去10年間のモンゴルの競争力評価は、7点満点のうち3.6〜3.9点の間で変動している。中国は5点で27位、ロシアは4.64点で38位となっている。
「モンゴルの持続可能な目標2030年」政策では、モンゴルは2030年までに国際競争力で世界のトップ70ヵ国入りを果たし、ビジネス環境指数でトップ40ヵ国に入るという前向きな目標を揚げている。
モンゴルでビジネスをするに当たって最も問題となっているものの一つは為替レートである。二つ目は汚職(賄賂)、三つ目は政策の持続性がない、四つ目は政権が不安定であることだ。
モンゴルには本当の平和がある。しかし、裕福な暮らしがない。
ダムバダルジャー・ジャルガルサイハン