モンゴルでも新型コロナウイルスの市中感染が確認された。モンゴル政府は今年2月、世界でもいち早く新型コロナウイルス対策として国境を封鎖した。航空定期便の運行は全て止められ、帰国者を乗せたチャーター便を不定期に運行していた。帰国者も含めて、海外から入国した者は3週間の隔離を義務付けられる徹底した措置だった。それでも隔離施設で新型コロナウイルスの感染が発生し、隔離措置を終え帰宅した人から感染が確認され、その後、市中へと広がっていった。

11月26日現在、新型コロナウイルスの感染状況は、感染者延べ人数:712人、回復者数:345人、療養中:360人、死亡者数:0人。そのうち国内での感染者数は275人、海外から帰国した感染者数は378人(そのうち隔離中:59人)となっている。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、モンゴル政府は11月11日から緊急事態宣言を発令し、食料、医薬品の買い出しなど、生活に必要な外出以外を認めていない。レストランなども全面休業となっている。一般の会社も可能な限りテレワークでの業務に切り替えている。学校などの教育機関はすべて休校となっている。当初、この緊急事態宣言は11月17日までとされていたが、国家緊急事態委員会の決定により12月1日まで延期された。幼稚園、学校などの休校は来年2月1日までとされている。学校の再開は休校明けの時点で延長するかどうかを決めるという。

今年の夏以降、MIATモンゴル航空はチャーター便を飛ばしていた。日本大使館もチャーター便が運行されていることを鑑み、10月からモンゴル人の日本への入国ビザの発給を段階的に再開していた。だがチャーター便の運行も今回の緊急事態宣言で欠航となった。チャーター便の運航再開の目処は立っていない。

モンゴル国内での人の移動も制限されている。そのため、地方からウランバートルへ来て、緊急事態宣言で市内へ足止めを余儀なくされた人たちが帰郷できるよう、12月1日から10日までの機関で移動を認める方針を政府が発表した。その後、休校中の学生が規制できる措置をとるという。各県の感染者数は以下の通り。

県・都市

感染者数

セレンゲ県

144人

ウランバートル

60人

ダルハン・オール県

20人

ドルノゴビ県

18人

オルホン県

17人

ゴビスンベル県

3人

国内での移動も最小限にとどめており、経済活動にも支障が出てきている状況である。