首都ウランバートルの現在は、社会問題にまでなっていた慢性的なひどい渋滞は見られない。非常事態宣言下で街中を走る自動車はかなり制限されている。だが通院が必要な人などのためにバスなどの公共交通機関は動いているので、ちらほら車の行き来も見られる。

ウランバートルは12月11日まで緊急事態宣言下となっており、かなり厳しい規制が敷かれている。人々は不要不急の外出をせず、自宅で生活をしている。市内のスーパーなどで食料品などは普通に買えるが、人が多く集まる市場(ザハ)は閉まっている。

外出制限のため、その日その日の仕事で収入を得ていた人たちは収入を絶たれている。そういった貧困層のために民間企業や市民ボランティアが協力し、食料品を提供している。また、ホームレスの人たちには検査を実施して、施設への入所も進められている。

外出制限中でも、エネルギーや食料品、医療機関やインフラ、運送、葬儀などに関わる企業は活動している。公的機関も国会を始め、各省庁や裁判所、検察などは開いている。その他の企業は、基本的には活動に制限をかけられている。日本と同様に、リモートワークが推奨されている。

これ以上、外出制限が延期されると企業や家庭の収入が減っていくので、外出制限の延長に反対する市民が声を上げ始めている。

12月2日に閣議が開かれ、首都ウランバートル、アルハンガイ県、セレンゲ県で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために取られている外出制限措置の期限を12月1日〜12月11日まで延期することになった。また政府は、2021年4月1日まで、ゲル地区の22万世帯に供給する練炭の価格を50%割り引く決定を出した。これにより練炭1トン当たりの価格は75,000トゥグルグになる。また、練炭の小売価格も50%引き下げるという。ウランバートル市民が冬季に消費する練炭の量は1日あたり4,000トン、月に12万トンである。

以前は渋滞で車が動かなかったウランバートルの目抜き通りも、車の通りはかなりまばらだ。